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ロシアの核兵器開発に1000億ルーブル


ウェブ版 English Pravda によれば、ロシアは2013-2015の三年度にわたり、核兵器開発予算として合計1000億ルーブル(約2600億円)を計上するということだ。ロシア議会(ドゥーマ)国防委員会のヴラヂーミル・コモイェードフ氏が発表したという。

この巨額の予算で、ロシアはどんな核兵器を開発しようとしているのか。ロシア戦略ミサイル軍のセルゲイ・カラカーイェフ司令官は、2018年までに大陸間弾道ミサイルを配備したいと声明しているので、この予算がその一環として使われるのは間違いないようだ。

ロシアが核兵器の開発にこだわるのは、NATOがポーランド、ルーマニア、トルコに核ミサイルを配備したことに対抗するためだ。ロシアはそのミサイル配備計画に自分も関与させろと強く要求したが、NATOから拒絶された。NATOはイランの核兵器に備えるためだと言っているが、場合によってはロシアを灰燼にすることもできる。一方的に弱い立場に追いやられることは、安全保障上何としても避けねばならない。こんな意図がはたらいているようだ。

ソ連時代には、巨額の予算が国防にあてられ、その結果ソ連は国力に不相応なほど強力な兵備を誇っていた。それがソ連崩壊後瞬く間に陳腐化し、いまでは原子爆弾以外に使えるものはないと言われる。それ故、ロシアにとって核ミサイルなどの開発には、多大な負担がかかるとみられる。

しかし、負担など気にしてはいられない。強いロシアでなければ、NATOなど西側勢力は無論、中国にもあなどられるばかりだ。強いロシアの復活を夢見るプーチンにとっては、是が非でも軍事能力を高めたいということのようだ。(写真はEnglish Pravdaから)





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