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ホドルコフスキー裁判への爆弾証言:ナターリア・ヴァシーリエヴァ(Наталиа Василиева)


ホドルコフスキー裁判の判決は、担当判事ではなく第三者が決めた、担当判事のダニーキン(Виктор Даникин)は、他人が書いた判決文を単に読み上げたに過ぎなかった。こんなショッキングな証言が出てきて、どうやらロシア政界を揺さぶりかねない勢いだという。

証言をしたのはダキーキンの法務秘書ナターリア・ヴァシーリエヴァ(Наталиа Василиева)さん(上の写真:コメルサント)。

彼女によると、ダニーキンはこの裁判に関して常に上級裁判所(モスクワ市裁判所)から圧力を受けていたが、判決の言い渡しという段になって、上級裁判所から待ったがかかり、自分で書いた判決文を廃棄して、他人が書いた判決文を読む羽目になった、ということだ。

この裁判をめぐっては、プーチンによる介入が取りざたされ、西欧流の法治主義を逸脱したやり方が、大いに批判されものだが、そのやり方の一端が明らかになったといったところだろう。

それにしても、ヴェシーリエヴァさんはなぜ、こんな行動に及んだか、すずめどもの憶測を呼んでいる。彼女はコックだったところを、一年半にダニーキンに抜擢されて、あこがれの法曹界に飛び込んだばかりだ。こんなことをリークして上役たちを困らせれば、せっかく手にした職業を確実に失うことになるだろうに、というわけだ。

一説によれば、ヴァシーリエヴァさんは、女にしては珍しいほど正義感が強く、曲がったことは放って置けない性分なのだという。だから今回の茶番劇を目の前で見せられて、黙っていられなかったというのだ。

他の説によれば、ヴァシーリエヴァさんは政争に巻き込まれている可能性が高い。メドヴェージェフはこの話を耳にすると、早速調査するように司法当局に命じたそうだが、なぜメドヴェージェフがそんなに早く反応したのか、どうも臭いというわけだ。

ホドルコフスキーを再び有罪にして、さらに当分の間豚箱に入れておけと命じたのはプーチンだ。だから調査を蒸し返すのは、プーチンの利益にはならない。もしかしたらメドヴェージェフとプーチンの間に、人にはわからぬある亀裂が生じているのかもしれない、こんな憶測までささやかれている。





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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011
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