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ベレゾフスキーの変死


ロシアでは、プーチンの敵は天寿を全うできないとささやかれているらしいが、そのプーチンの敵の中で生き残ってきた最後の大物、ボリス・ベレゾフスキー(Борис Вади́мович Березо́вский)が死んだ。それもロンドン近郊の自宅の風呂場で、不可解な死に方をしたという。早速イギリスの警察機関が操作に入ったというから、この変死の裏には、謀略の動きがあるのかもしれない。

ベレゾフスキーは、ソ連崩壊の混乱に乗じる形で新興財閥にのし上がった人物だ。1996年の大統領選ではイェリツィンを応援し、それをきっかけに政界にも影響力を強めた。しかしプーチンが登場して新興財閥の影響力排除に乗り出すと、これに反発、身の危険を恐れて2000年にイギリスに亡命した。

2006年には、ロシアの元情報将校アレクサンドル・リトヴィネンコが放射性物質を盛られて変死する事件が起きたが、ベレゾフスキーはそのリトヴィネンコをロシアから脱出させるなど、後見人的な役割をつとめてもいた。

最近は、プーチンの巨大な力を前にして、プーチンとの和解をはかろうとする動きも見せていたと言うが、プーチンの方では、過去の経済事件を巡って横領罪を追及するなど、抑圧的な姿勢を弱めなかった。その挙句に、今回の事件が起きたわけである。(写真はAFPから)





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