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ロシア下院(Duma)は阿呆(Dura)の集団?

ロシアの著名なジャーナリストであるヴラヂーミル・ポズネル氏がロシア国営テレビ・チェンネルワンのバラエティ番組の中で口を滑らし、ロシア下院(Duma)は阿呆(Dura)の集団だと言ったところ、当のドゥーマのメンバーが早速反応して、超党派で氏を非難する声明を発表した。その声明の中には、ロシアを侮辱する外国籍のジャーナリストは国営テレビ局から追放されるべきだともあった。氏は、ロシア国籍のほか、アメリカ、フランスの国籍も取得している。

氏が問題の発言をしたというのは、アメリカのマグニツキー法に対抗して、ロシア側がヤーコブレフ法で対抗し、ロシア人の子どもがアメリカ人によって養子縁組される道を閉ざしたことを批判した文脈の中でだった。この法律は不幸なロシア人の子どもを一層不幸にするもので、こんな法律を超党派で制定したドゥーマは阿呆(ドゥーラ)の集団だと揶揄したわけである。

今の所ロシアには、ドゥーマを馬鹿にした外国人ジャーナリストを国営テレビ局から追放することを可能にする法律はない。だから、ポズネル氏は司法手続きを通じて訴追される恐れはないと考えてよいが、テレビ局のトップが政治的な圧力に屈して氏を解雇することはありうる。

(参考)Foreign journalists to be ousted from Russian state-owned TV channels?:Pravda.ru





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