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ロシアには表現の自由がある:Freedom Houseへの反論

アメリカをベースにする人権保護団体 Freedom House が、最新版の世界人権状況白書のなかで、ロシアを172番目にランクづけたことに対して、プラウダ英語版のウェブサイトが大いに反発する記事を載せている。Freedom House produces more rubbish about Russia

昨年のロシアのランクは173番目だったから、少しはましな評価かといえば、そうではない。いったいロシアに表現の自由がないなどと、なにを根拠に言うのか。Freedom Houseはその理由として、多くのジャーナリストが迫害されていること、報道機関が政府によって強くコントロールされていることなどをあげているが、そんなことはない。ロシアの報道機関は、十分な報道の自由を享受しているし、表現の自由が侵害されているとも思っていない、というわけだ

ロシア政府広聴室(Общественная палата Российской Федерации)のメンバーで、雑誌の編集者でもあるヴァレリー・ファヂェーエフは、Freedom Houseに対して大いに憤慨している。彼の見方によれば、ロシアには表現の自由を巡るいかなる問題も存在しない。ネット世論などは野放しといってよいほどに自由を謳歌している。そのロシアにおける表現の自由度が、世界で172番目だなんて、Freedom Houseの言っていることは出鱈目だ、ロシアの状態がジンバブエやアゼルバイジャンと同等だなんて、馬鹿も休み休み言え、というのだ。

ちなみに、旧ソ連圏諸国のランキングについていうと、グルジア111位、モルダヴィア115位、ウクライナ130位、アルメニア149位、キルギスタン155位、タジキスタン171位、カザフスタン175位、ベラルーシ193位だった。またバルト諸国については、エストニア22位、リトアニア40位、ラトヴィア54位だった。

もうひとつ、ちなみにいうと、一位はフィンランド、ノルウェー、スウェーデンが同率で並んだ。アメリカは22位、イギリスは31位、日本は37位、フランスは43位、中国は187位だった。

(参考)  Freedom of the Press 2012  Freedom House





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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011
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