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プーチンがユーラシア連合(Евразийский Cоюз)を提唱


プーチンは10月4日付のイズベスチア紙に寄稿した論文のなかで、ロシアが中心になった国際共同体としてユーラシア連合(Евразийский Cоюз)を提唱したが、いまのところ海外のメディアはあまり大きく取り上げていない。来年ロシア大統領に復帰することが確実視されている政治家が、早々と外交戦略をぶち上げたというのに、これはちょっとさびしい反応だ。

プーチンは昨年ロシア、カザフスタン、ベラルーシの三国が締結した関税同盟を中核にして、それを経済・通貨政策を共通にするEU型の「統一経済圏」に発展させたいとしている。当面はキルギスやタジキスタンなどにも参加を呼びかけ、ゆくゆくはかつてのソ連圏の大部分を包括するものに育て上げていきたいという意気込みだ。

なんだ、崩壊したソ連邦の復活を夢見ているだけではないか、大ロシア主義者のプーチンらしい発想だ。こんなふうに言われるのを予想しているかのように、プーチンはこのユーラシア連合はソ連邦の復活ではないと弁解している。

プーチンが弁解しようがしまいが、かつてのソ連が復活することはありえないだろう。バルト三国などは、もう二度とロシアとは一緒になりたくないと思っているだろうし、コーカサス地方の諸共和国もロシアとは鋭い敵対関係にある。

ロシアが他国と良好な国際関係を築いていくためには、ほかならぬロシア社会に民主主義と自由経済が根付いていくことが必要だ。(写真はノーヴォスチ通信から)





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