ロシア情勢を読む
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ロシアの爆撃機が日本列島を一周


先日(9月8日)、ロシアの爆撃機二機が日本列島を一周した事件について、今のところ、国内の反響は冷静だといってよい。産経など一部のメディアは、野田政権への値踏みだろうとか、露骨な挑発だとかいって、ヒステリックな反露感情を煽っているが、少数派の反応だといってよい。

日本側のこうした反響をどう見るかは意見が分かれるところだろう。筆者などは、少なくとも国民一般はもう少し騒いだ方がいいのではと、思ったりもする。そうすることで、政府の対露外交ももっと毅然としたものになるだろう。

外交ルートでは、玄葉外務大臣がロシアのラヴロフ外相に電話で遺憾の意を伝えたということだが、ラヴロフの方は、国際法には違反していないと、ツッケンドンな返事をするにとどまった。もしかしたら、日本側の反応を侮っているのかもしれない。

現象をありていに受け取れば、こんな行為が日露間の友好関係の強化につながらないことは明らかだ。むしろ、相手の神経を逆なでする類の行為であることは、誰が見ても否定しえないことだ。国際法には違反していないかもしれないが、敵対的な意味作用を帯びた行為であることは明らかだ。

しかもロシアと云う国は、現実に日本の領土の一部を侵略している国だ。平和条約でさえ締結できていないから、日本にとってはいまだ敵国のままだともいえる。

そんな国が、こんなにあからさまな形で、露骨に攻撃的な行動をとっているわけだ。それに対してどういう対応を取るべきか。日本人はもう少し厳粛に考える必要がある。

勿論感情的になるのが利口でないのはいうまでもない。理性的でありながら、かつ、相手にその非礼を後悔させるような対応、これが肝心だ。(写真は北海道付近で空中給油する爆撃機:防衛省提供)





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