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プーチンのゲイ嫌い


写真(Guardian から)は、ソチのオリンピック会場を視察中のプーチンと彼を囲む大会ボランティアの人々。ボランティアの女性たちが来ているユニフォームに注目してほしい。これはレインボーカラーといって、ゲイのシンボルカラーとなっているものだ。これをボランティアたちに着せることで、ソチ・オリンピックへの世界のゲイ社会の反発を和らげようというわけだろう。こんな派手なものを着せられたボランティアたちは、最初はとまどったが、その趣旨をプーチンから聞かされて納得したそうだ。

その趣旨とは他でもない。ロシアでは目下ゲイを標的にした取締りが強化されており、街中でゲイカップルが大手を振って歩けない状況が生じているが、オリンピック見物にやって来る外国人のゲイに対しては、取締りを行わない。だから安心してロシアに来てほしいというわけである。

だが、これには条件がある。子どもの目の前でゲイ同志がいちゃついたり、子どもを性的に誘惑したりしないで欲しい。そんなことをして子供をスポイルしないで欲しい。また、大々的なゲイ・キャンペーンもしないで欲しい。要するに静かに見物して欲しい、ということだ。

どの国でも、それぞれの価値観がある。西欧諸国ではゲイに対して寛容な価値観があるのかもしれないが、ロシアにもロシア固有の価値観がある。ロシアでは、ゲイは人間の屑であり、抑圧の対象なのである。西欧的な価値観を以て、ロシアを断罪しようというのは傲慢なやり方である。我々も紳士的にやるから、皆さんも紳士的に振る舞って欲しい。

以上がプーチンのメッセージだが、国際社会の批判には根強いものがある。また、最近はソチ・オリンピックを意識したテロ事件が頻発している。そのことで、安全に不安を抱く気分が世界中に広がっている。

どちらも、プーチンによる抑圧的な政治が大きな原因となっているように、筆者などには思える。





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