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ロシアのホモフォビア(Homophobia)


ロシアでは今年の6月にアナクロニスティックな法律「同性愛取締法」が成立したところだが、その後、法律は想定していた以上の社会的効果をあげ始めているようだ。同性愛に敵対する民間団体による同性愛者への迫害が全国的なレベルで起きているのだ。今やロシアでは、同性愛者であることは、命にかかわることになりつつあるらしい。

この法律そのものは、同性愛を積極的に宣伝する行為を取り締まるもので、同性愛者を直接的に迫害することを目指したものではないようだが、同性愛に敵対する団体は、この法律をタテにとって同性愛者を迫害しているという。彼らは、男女の同性愛やトランスジェンダーを性倒錯と決めつけ、そういう行為にふけっている不道徳的な輩は生きている価値がないと糾弾しているのだそうだ。

こうした団体による同性愛者の迫害行動が公然と行われると、子どもたちまでが真似をしだし、同性愛者を標的にした悪ふざけや、暴力行為が多発して、社会問題になってきつつある。

こうしたロシアのホモフォビア(Homophobia)について、欧米の人権団体が問題視し、場合によってはソチ・オリンピックのボイコットをするとまでいっている。オリンピック見物に訪れる同性愛者の安全が保障されないようでは、オリンピックを開催する資格はないとの理屈だ。

これに対してプーチンのロシアは、オリンピック開催期間中の海外からの同性愛者の安全を全面的に保障し、場合によっては、競技場で同性愛者であることを宣伝しても罰しないといっているが、そんなことで人を納得させられるものでもあるまい。(写真は拘束された同性愛活動家、リーフレットには"愛はホモフォビアよりも強い"と書かれている:AFPから)





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