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ロシアの大規模極東軍事演習

先日、ロシア海軍と中国海軍が共同軍事演習を行い、両軍合わせて21隻の軍艦が、宗谷海峡を通ってオホーツク海に抜けた。これを日本の事情通は、中国の日本に対する牽制と理解したむきが多かったようだが、それだけではないようだ。というのも、今度はロシアが単独で、極東地域ではソ連崩壊後最大となる16万人規模の大軍事演習を、陸海空の三軍共同で行ったからだ。これが、日本を想定した訓練であることは隠しようがない。つまり、中国のみならずロシアも、日本を仮想敵国として、軍事的な準備を怠っていないということを意味している。

この軍事演習はプーチンじきじきの命令で行われたという。公式発表によると、東部軍管区全体で戦車や装甲車など1000両、艦艇70隻、戦闘機や爆撃機を含む航空機・ヘリコプター130機が参加。20日までに、サハリンへの上陸作戦や、オホーツク海での対潜水艦作戦などを行うことになっている。

ロシアのプーチン大統領は、日本の安倍首相との間で、北方領土交渉を再開するなど、関係改善に意欲をみせるポーズをとっているが、その後、領土交渉は一向にすすむ気配を見せない中で、日本を想定した大規模軍事演習を行うというのは、どういうワケなのか。

日本側は、甘い見通しに満足している場合ではない。もっと現実を見据えた対ロ外交を行う必要がある。





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