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メドヴェージェフの次を伺うクドリン


メドヴェージェフの政治生命がそんなに長くは続かないだろうと、事情通は見ているそうだが、そのメドヴェージェフの後継者として取りざたされているのがクドリン(Алексей Леонидович Кудрин)前財務相だ。

クドリンといえば、財務相時代にメドヴェージェフと鋭く対立し、それをプーチンも見逃せなくなって、解任された経緯がある。その際には、プーチンの信頼も失ったのかと思われていたが、実際にはそうではなかったようだ。プーチンは大統領就任後、クドリンの側近を自分の側近に採用したり、クドリンを政府内の重要ポストにつけようとする動きも見せた。それに対してクドリンが辞退し続けているのは、意中のポストが他にあるからだ。そしてそれはほかならぬ自分の政敵であるメドヴェージェフを追い落とし、その後釜に座ることなのだ、というわけである。

しかし、クドリンの言動には理解しづらいところもある。この春に反プーチンデモが盛り上がった際には、クドリンはデモ隊に同情するかのような発言をしていた。そんなクドリンを、何故プーチンは信頼しているのか。事情通にもわけのわからぬところらしい。

ところでメドヴェージェフの命脈がいつ尽きるのか。それは神のみぞ知る、といったところらしい。とにかく大した失点もなく一年間持ちこたえた。メドヴェージェフとしては、政治的な功績を積み上げるのではなく、政治的な失点を犯さないように努めている、というのがこの一年間の印象だ。失点がない限り、たとえプーチンでも、そう簡単にやめさせるわけにはいかない、ということらしい。(写真はメドヴェージェフとクドリン:TASSから)





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